田園自然再生

〜未来の活動を担う「次世代」への期待〜
平成29年度「田園自然再生活動の集い」を開催

 

○ 開 会

 平成29年12月8日(金)、東京千代田区の日比谷図書文化館コンベンションホールにて、「田園自然再生活動の集い」を開催し、全国各地から田園自然再生活動に携わる活動団体や行政職員、教育関係者など約200名が集まり、熱心に講演に耳を傾け、活発な意見交換が行われました。

○ 挨 拶

 オープニングとして、田園自然再生活動協議会会長の中村桂子氏より主催者代表挨拶、その後、農林水産省の奥田整備部長及び環境省の奥田自然環境計画課長より、田園自然再生活動に携わる参加者へ温かい応援メッセージをいただきました。

田園自然再生活動協議会
会長 中村 桂子 氏
農林水産省農村振興局
整備部長 奥田 透 氏
環境省自然環境局
自然環境計画課長 奥田 直久 氏

○ 講 演


 農村ジャーナリストでフリーアナウンサーの小谷あゆみ氏より、「こんなにすごい!田園自然再生活動 地域を美しくするのは耕す人」として講演いただきました。自ら生産者に取材し、「農」体験をした経験から、「農」をリスペクトする社会、都市と産地が様々に連携する関係を築いていくことの大切さや、そのために地域が都会に住む人々などにもっと発信していくことの重要性をお話いただきました。

農村ジャーナリスト
フリーアナウンサー
小谷 あゆみ 氏

 次に、名城大学教授の水尾衣里氏より、「ソフトパワーとしての農村景観〜その価値と活用〜」として講演いただきました。農村景観を生活空間、生産の場とは違った視点から考えてみること、ソフトパワー、文化の源泉としての価値に気づき、活用していくことの重要性についてお話いただきました。

名城大学
教授 水尾 衣里 氏

○ 田んぼクイズ

○ 活動発表

 山形県立置賜農業高等学校3年生の代表3人より、ほ場整備事業におけるビオトープの設計、測量の実習活動について、栃木県小山市立寒川小学校5年生及び6年生全員より、地域の人たちと一緒に取り組んでいる「田んぼの学校」活動について、また、静岡大学棚田研究会を代表して3年生3人より、地域のNPOや農家と連携して実施している静岡県菊川市にある棚田の保全活動についてそれぞれ発表いただきました。
山形県立置賜農業高等学校
吉水直人さん、大場陵也さん
井田成美さん
静岡大学 棚田研究会
松原知之さん、小澤健吾さん
高橋宏維さん

小山市立寒川小学校(栃木県)5年生、6年生

○ つなぐ 〜「次世代」への期待〜
 福井県立大学学長の進士五十八氏の進行で、中村氏と水尾氏とともに、活動発表をした若い方たちへの応援メッセージとこれからの課題について語っていただきました。会場の発表団体関係者らとの意見交換を交えながら、中村氏より、『本来、私たち人間は、「働く・学ぶ・遊ぶ」が一体となって生活を営んでいたが、時代とともにそれぞれが独立して分断されてしまっている。その課題を克服することができるのは、まさに「農」体験をすることである』、また、水尾氏より、『子供達自らが課題の解決に取り組む姿が頼もしい』いうお話しをいただきました。まとめとして、進士氏より、さまざまな世代の、学校と地域の人たちが連携・協力していくこと、特に、その中で次世代の子どもたちに対する教育の重要性について確認していただきました。

福井県立大学 
学長 進士 五十八 氏

○ 「若者の誓い」

 今回の「集い」の締めくくりとして、活動発表の生徒達の代表が壇上に立ち、次世代が美しい農村や自然環境を未来につなぐことを誓った「若者の誓い」を高らかに読み上げ、満場喝采のもと「田園自然再生活動の集い」を閉会しました。

 

平成29年度田園自然再生活動の集い
<プログラム>
13:00  主催者挨拶  中村 桂子(田園自然再生活動協議会 会長)
13:05  来賓挨拶  奥田 透(農林水産省農村振興局整備部長)
13:10  来賓挨拶  奥田 直久(環境省自然環境局自然環境計画課長)
13:15  講演  「こんなにすごい!田園自然再生活動 地域を美しくするのは耕す人」
    小谷 あゆみ(農村ジャーナリスト、フリーアナウンサー)
13:55  講演  「ソフトパワーとしての農村景観 〜その価値と活用〜」
    水尾 衣里(名城大学 教授)
14:45  田んぼクイズ  (地域環境資源センター)
15:05  事例発表  ○山形県立置賜農業高等学校(山形県)
 ○小山市立寒川小学校(栃木県)
 ○静岡大学棚田研究会(静岡県)
16:10  つなぐ 〜「次世代」への期待〜
    進行:進士 五十八(福井県立大学 学長)
出演:中村 桂子、水尾 衣里
16:50  若者の誓い
17:00  閉会  

 


若者の誓い


 宣誓。 私たち、若者は古来より多くの人の手によってつくられ、そして守られてきた美しい田園景観、文化、生態系をこれからも守り続けます。そのために、地域住民や地元農家のみなさん、保全・再生活動に関わる多くの方々と更に連携し、活動の輪を広げ、質を高めるため、積極的に行動していきます。里山の多様な生態系は、生き物だけでなく、人々の暮らしや営みを通じて、人が働きかけることで保全されてきました。私たちの身近に存在する農村景観や自然は、当たり前に存在するものではなく、貴重でかけがえのないものです。
 私たちは、人と生き物が共生するふるさとの美しい農村や自然環境を未来へ「つなぐ」ために努力し続けることを誓います。
平成29年12月8日