●山吹(大東町)


基 礎 諸 元 平均勾配 団地面積
1/6 5.0 ha



維持・保全・利活用状況
本棚田は、大東町やJAいわい東の指導の下に地元山吹集落の各農家が協力し 合って営農耕作を行っており、耕作放棄地は生じていない。棚田有機米としてブランド化の方向を目指して、地域活性化に繋げようと検討中であり、今後の展開が期待できる。棚田地域の営農や用排水路管理については、基本的に土地を所有・耕作する各農家が協力し合って行っているが、兼業ながら農業後継者も育っており今後の耕作継続が見込める。地区では貴重な景観を有する棚田ということで今後とも営農を継続する意志が十分であるが、町としてはオーナー制度など都市との交流事業の導入検討を地元と協議していく意向である。

推薦項目  国土保全     景観
推薦理由 国土保全:本地区は低山地の裾野に位置し傾斜度が大きいが、この直下に中世からの歴史的な散居集落があり、この地域全体の洪水防止、水源涵養機能や土壌浸食を未然に防止する役割を担っている。

景観:本棚田地区を含めた通称「山吹」区域は、旧大原地域を統治した中世の大原千葉氏の居城である山城「山吹城」に近接し、眼下に大原市街地、眼前に郡内唯一の秀峰「室根山」を中心とした山並みを望むなど、町内でもその景観は秀逸であり、「山吹」・「室根山」とも小中学校の校歌に詠われている。

棚 田 の 概 況 枚 数 50 枚 水 源 河川(渓流含)
事業導入 法面構造 土羽
開発起源 中世(平安〜室町)  現代(昭和21年〜)
営 農 の 状 況 対象農家数 5   戸 10a当収量 380 kg/10a
戸当り営農規模 1 ha/戸        10  枚/戸
高付加価値農業 水稲、葉煙草に和牛又は酪農を主体とした農業経営を行ってきた地区であるが、最近の産直ブームの中で本棚田地区農家も含めた「笠置生産組合」を平成10年度に組織して「産直販売所」を設置し、野菜、花や漬け物等の販売活動を開始した。これが生産者の顔が見えていいと評判になり、農家の生産意欲が増している。今後は付加価値をつけた販売まで取り組みたい。
特記事項の有無 山城「山吹城趾」:昭和54年大東町指定史跡(中世の一関両盤地方を統治した葛西家の七騎の一人東山旗頭大原千葉氏代々の居城で、東西400m、南北200m、高さ80mの山城で東磐井郡内屈指の規模を誇る。本棚田地区の農家及び隣接集落は全て千葉氏であり、その末裔といわれている。)

土地改良総合整備事業「山吹地区」:事業年度 平成3〜5年事業費90,000千円 内容 農道・かん排・区画