●毛原(大江町)


基 礎 諸 元 平均勾配 団地面積
1/10 5.0 ha



維持・保全・利活用状況
・本棚田は町行政とJAの営農指導を受け、地元農事組合を中心にして耕作している。また農家の高齢化と不在地主の発生に伴い不耕作地が増加していたが、平成9年から「棚田農業体験ツアー」等を企画する中で農地の保全について地域ぐるみの取り組みを推進している。

・平成10年度からは「棚田農業体験ツアー」を発展させた「棚田オーナー制度」の導入により、約30アールの不耕作地を活用した取組を行い農地の保全に努めている。

・平成9年から棚田を中心とした農村景観の保全と農作業の効率化を図ることを目的として「するさと水と土ふれあい事業」を導入して、散策路の整備、水車小屋の復元等を実施している。

・また平成9年から地域ぐるみの取組として「棚田の農村景観のPRと都市住民の心の安らぎを与える美しい農村づくり」と併せて、畦畔等の維持管理労力の軽減を図ることを目的とし、グランドカバー植物(アジュガ、アークトセカ、シバザクラ、マツバギク)の増殖を行うとともに、整備した散策路法面 等にその植栽を行っている。

推薦項目  国土保全     景観     伝統文化の維持保全
推薦理由 国土の保全:本地域は数ヶ所の谷を受けており、土石流の危険性もあることから棚田は災害の未然防止に大きな役割を果 たしている。また、自然流下による天水を貴重な灌漑用水として活用しており、昔ながらの営農が営まれている。

景観:等高線状に広がる、大小多数の不規則な形状の水田と蛇行した農道が曲線美のコントラストを描いている。 茅葺きの農家が点在し、古くは米の精米等に使用した水車小屋の復元、稲架などにより日本の原風景を醸しだしている。
農道・散策路の法面に植栽されたグランドカバー植物により開花期には美しい花が集落全体を彩 っている。

伝統文化の維持保全:集落の最奥部には、棚田を見下ろす氏神の「大岩神社」があり古い高札が残されている。また付近には「今昔物語」や「沙石集」に出てくる「元不甲道」跡や、石灯籠、古い言い伝えのある「袈裟切り地蔵」などが存在し、伝統文化の存在する棚田集落である。

棚 田 の 概 況 枚 数 600 枚 水 源 天水
事業導入 法面構造 土羽
開発起源 近世(戦国〜江戸時代)
営 農 の 状 況 対象農家数 15   戸 10a当収量 430 kg/10a
戸当り営農規模 0.35 ha/戸        30  枚/戸
高付加価値農業 棚田農業体験ツアー参加者への直販 。

「棚田米」のネーミングの活用。
特記事項の有無 なし。



●袖志(丹後町)


基 礎 諸 元 平均勾配 団地面積
1/10 11.8 ha



維持・保全・利活用状況
・袖志は半農半漁の集落で、地元農家で維持管理されてきた。

・平成9年度に「中山間ふるさと・水と土保全基金」活動の一環として、棚田保全についての意向調査や地域座談会を実施して、地域づくりを進めてきた。

・平成10年度に、棚田の稲刈り体験や海を活用した都市農村交流を実施した。

・「21世紀経ヶ岬未来会議」(区長、農事組合長、漁協組合長など地元13名で構成)が中心となり、棚田等の地域資源を活用した都市農村交流の方策を検討している。

推薦項目  国土保全     景観     生態系の保全
推薦理由 国土の保全:集落の背後に急峻な山が迫っているが、棚田が持つ湛水機能などにより災害が未然に防止されている。

景観:急峻な山々と日本海に挟まれて棚田が広がっており、海岸線は若狭湾国定公園区域にあって、海と里山と棚田集落が調和した美しい景観をなしている。
平成10年度に、第7回美しい日本のむら景観コンテストでむらづくり対策推進本部長賞を受賞した。

伝統文化の維持保全:「庚申まつり」や「山の神祭り」などが集落で継承されている。

棚 田 の 概 況 枚 数 400 枚 水 源 河川
事業導入 法面構造 土羽及び石積
開発起源 近世(戦国〜江戸時代)
営 農 の 状 況 対象農家数 63   戸 10a当収量 450 kg/10a
戸当り営農規模 0.19 ha/戸        6  枚/戸
高付加価値農業

特になし。

特記事項の有無 なし。